ひらがなの由来
ひらがなは漢字からできました
何気なく書いているひらがな。
ご存じの方も多いとは思いますが、漢字が由来となっています。
どのひらがながどの由来がわかれば、ひらがながどうしてその形なのかもわかり、
美しく書くためのコツもつかみやすいかもしれません。
日本の文字の歴史
さて、もともと日本には文字がありませんでした。
文字がないので、大事なことは全部頭の中に覚えておかなくてはなりません。
しかし、それでは覚え違いもありますし、万が一忘れてしまった時に非常に困ってしまいます。
そんな時、当時最先端の文明を誇っていた中国から仏教をはじめとしたいろんな文化とともに漢字や文章の書き方が伝えられ、
言葉を文字として記録することができるようになりました。
「山」「川」など、日本にもあるものを表す漢字には、中国語の「サン」「セン」という読み方だけではなく、
「やま」「かわ」という読み方を新しく定めることで、日本語と対応させるようにしました。
しかし困ったことに、伝えたいこと自体は中国の文章の書き方を使って書き表せばいいのですが、
日本にしかない言葉は、漢字にないので表すことができません。
そこで、漢字の音の響きだけ使って当て字で書き表そう、ということになりました。
例えば、国語の教科書に載るような有名な和歌の中に、以下のようなものがあります。
「しろがねも こがねもたまも なにせむに まされるたから こにしかめやも」
高価な銀も金も宝石も、素晴らしい宝である子供にかなうものだろうか(いや、かなわない)
という意味の和歌なのですが、これを、当時の書き方で表すと以下のようになります。
「銀母 金母玉母 奈尓世武尓 麻佐礼留多可良 古尓斯迦米夜母」
初めの「銀」のように漢字の意味の分かるところと、「母」のように完全に当て字の部分があるところがわかりますね。
日本語の発音通り文章を書くのに、ひたすら漢字を書くのはとても大変です。
一つの音に一つの漢字を当てはめて書かなくてはならないので、
「大変だなぁ」「めんどくさいなぁ」と思う人が多くなってきます。
そこで、平安時代ころからはだんだん漢字の形を崩して書くようになり、それが現在のひらがなの元となったのです。
どの漢字がどのひらがなになったの?
次の表を見てください。
それぞれの文字の一番上が、もとになった漢字、
二番目の赤い文字がもとになった感じを書き崩した「草書体」と呼ばれる漢字の形です。
三番目は皆さんがよく見知ったひらがなの形ですね。
中には漢字だけ見てすぐにどのひらがなになったかがわかるものもありますが、
漢字だけではどうしてその形になったかがわからないものもあります。
そんな時、その文字の草書体を見てみると、
どのように崩されているのか、
また、漢字のどの部分がひらがなのどの部分になったのかも少しわかりやすくなりますね。
これからはひらがなのもとになった漢字を思い浮かべて文字を書いてみると、
かっこいい美文字が書きやすくなるかもしれません。
ぜひチャレンジをしてみてくださいね。